全ての宝石が完全な色調で産出されるわけではありません。特にスリランカで産出するサファイアなどは薄い青色で産出されることが多いのです。
その石を人工的に加熱することで美しい青色に改善できることを知ったタイ人が、安価で仕入れて加熱処理をし美しい色調にすることで莫大な富を得ました。
現在では当たり前のように、ルビーやサファイアをはじめ多くの色石に施される処理方法です。色の薄い石や、濃い石に色の改善目的に加熱処理を施します。色の濃淡により、焼き方が異なります。酸化雰囲気や還元雰囲気と焼き方を替え、冷却も時間を変えたりします。
現在、流通しているコランダム(ルビー、サファイア)の95%以上が加熱処理を施されており、一般的な処理方法として受け入れられています。当然、非加熱のルビーやサファイアも存在しますが、非常に希少で高価で取引されています。
加熱処理を行うガスオーブン |
加熱前のサファイア |
加熱後のサファイア |